日本学術振興会 基盤研究S 課題番号25220403

地域計画チーム

活動目的、活動内容

再生可能エネルギー政策と事業に関する研究

福島県は東日本大震災からの復興に向けた施策のひとつに再生可能エネルギーの活用を掲げており、再生可能エネルギーの普及拡大と関連産業の集積を推進している。このような背景から、大平が中心となり、福島県の再生可能エネルギー事業・政策の支援活動を通じて得られた知見などを活用し、福島県の復興につながり、地域経済の活性化につながる再生可能エネルギー事業および再生可能エネルギー政策の研究を行っている。

再生可能エネルギー政策に関する国内外の調査

福島県はあらゆる再生可能エネルギーのポテンシャルを秘めた稀有な地域である。これは様々な自然環境を有することを意味し、地域性や文化、産業の違いにも表れている。これらの地域性を活用し、地域にある自然資源を、地域の産業と再生可能エネルギーが連携した地域活性化モデルを研究している。さらに様々な自然環境をフル活用することが求められていることから、様々な再生可能エネルギーの先進地域の調査研究を実施している。例えば再生可能エネルギー政策の研究のためドイツ・デンマーク調査(大平・吉田)を行い、個別の再生可能エネルギーについても北海道(風力発電や太陽光発電)や熊本県(地熱発電や太陽光発電)などの調査(大平)を実施している。

農業分野における持続可能な放射能対策

石井が中心となり、農業分野における持続可能な放射能対策のあり方を検討するとともに、地域住民や協同組合と連携した放射能対策の社会的実装を行っている。

  1. 水稲試験栽培(伊達市小国地区、南相馬市中太田・小高地区)
  2. 農地の放射能計測と地図化(JA新ふくしま、伊達市小国、飯館村大久保地区)
  3. 消費地での自主的食品検査の体制構築(福島県生協連・市民放射能測定所ほか)
  4. 生産工程管理データベースの構築(JA新ふくしま、他)

被災地における地域公共交通の現状と課題

吉田は、東日本大震災および福島第一原子力発電所事故による被害を受けた都市(八戸市、大船渡市、南相馬市)を事例として、震災から3年間の地域交通サービスの変化を捉え、復興まちづくりにおける公共交通分野の課題を指摘し、各地の地域交通政策を支援するとともに、研究論文を執筆している。

論文

吉田 樹:被災地における地域公共交通の現状と課題,都市問題,34-1,2-12,2014.

除染や中間貯蔵施設のあり方の検討、および除染廃棄物の運搬における安全確保と交通へのインパクト分析

福島県内で発生する汚染土壌等(8,000bq/kg超)は最大で2,800万㎥と想定され、環境省が大熊町等に2箇所の中間貯蔵施設立地に向けた調査を行っており、吉田は福島県が設置した専門家委員会に参画。幹線交通(国道6号線や中通り・浜通り間の国県道)へのインパクトが懸念される一方で、①中間貯蔵施設の処理能力(敷地内通路等へのインパクトを含む)(≒荷卸しに要する時間)、②仮置き場の現況把握、③それに伴う輸送従事者の確保がより重要な課題になることなどを指摘。また石井は伊達市や飯舘村などを事例として除染をめぐる諸課題を検討するとともに、栃木県塩谷町をはじめとした福島県外の指定廃棄物の最終処分場設置をめぐる住民運動などを調査し、除染をめぐる各種施策のあり方を検証している。

論文

吉田 樹:中間貯蔵施設の設置に関わる交通の諸問題,都市計画,63(5),52-55,2014.

提言

日本科学者会議除染問題検討チーム(代表:石井秀樹) 「除染」に関する提言
http://www.jsa.gr.jp/03statement/20140211a.pdf

メンバープロフィール

吉田 樹(チームリーダー)経済経営学類 准教授

yoshida1979年千葉県生まれ。東京都立大学大学院都市科学研究科博士課程修了。博士(都市科学)。専門は地域交通政策、交通まちづくり、地域経済論。首都大学東京都市環境学部リサーチ・アシスタント、同助教を経て、2012年3月より福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任准教授。2013年4月より現職。国土交通省社会資本整備審議会・交通政策審議会の臨時委員として、交通基本法案(当時)の検討に関わる。主な著書に『生活支援の地域公共交通』(共編著、学芸出版社。第34回交通図書賞受賞)など。

石井 秀樹 うつくしまふくしま未来支援センター特任准教授

ishii1978年埼玉県生まれ。東京大学新領域創成科学研究科博士課程単位取得退学。専門は造園学、緑地計画。法政大学サステイナビリティ研究教育機構リサーチ=アドミニストレータを経て、2012年3月より福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任助教。2013年4月より現職。伊達市や南相馬市での水稲試験栽培、農地の放射能計測とコメの全量全袋検査を連動させた稲の生産工程管理データベースの開発のほか、地域再生にむけた各種支援に取組んでいる。主な著書に『放射能汚染から食と農の再生を』(共著、家の光協会)、『農の再生と食の安全―原発事故と福島の2年』(共著、新日本出版社)など。

大平 佳男 うつくしまふくしま未来支援センター特任研究員

1980年福島県いわき市生まれ。法政大学大学院経済学研究科経済学専攻博士後期課程修了。博士(経済学)。専門は環境経済学・産業組織論。再生可能エネルギー政策や電力自由化について経済学的観点から研究している。法政大学大原社会問題研究所兼任研究員を経て、2012年7月より現職。主な論文に「RPS(固定枠)制度と太陽光FIT(固定価格)制度に関する比較分析-日本の再生可能エネルギー普及政策を事例に-」『公益事業研究』第62巻第2号(公益事業学会奨励賞(論文))など。

中井 勝己 福島大学 学長

1951年兵庫県生まれ。立命館大学大学院法学研究科博士課程単位取得修了。専門は行政法学(主に開発法、環境法)。日本学術振興会奨励研究員、(財)比較法研究センター研究員、福島大学経済学部助手、福島大学行政社会学部助教授を経て、1995年4月より教授。2008年4月、福島大学理事・副学長。2013年4月、福島大学うつくしまふくしま未来支援センター長(学長特別補佐)。2014年4月より現職。主な著書に『新・環境法入門―公害から地球環境問題まで』(共著、法律文化社)など。

研究活動の様子

こちらからご覧ください。

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